損益責任を厳しく求めることで事業責任者が育つ

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スクールビジネスにおいて「生徒の成長」はもちろん大切ですが、ビジネスを持続させていくためには「スクールの利益」が必要です。利益が増えるほど、カリキュラム開発、人材の採用など、生徒の成長につながることにお金を投資できるからです。そこで大切になってくるのが「損益への責任感が強い事業責任者の育成」です。

 

利益はどうやって増えていくのか?

 

スクールの利益を増やす方法は2つあります。1つは「売上」を増やすことで、もう1つは「経費」を減らすことです。売上から経費を引いたものが利益ですから、この2つの数字を常に「見える化」する必要があります。なぜなら、「見える化」していないと改善しにくいからです。以前、あるダイエットトレーナーがこのように言いました。「高収益の経営者やトップ営業マンは体が引き締まっている方が多いです。彼らにその秘訣を聞くと、毎日体重計に乗ってコントロールしていると言うんですよね。きっと経営でも数値管理を徹底されているのだと思います。」実は、私は以前、トレーナーの指導のもと、13キロほどダイエットをした経験があります。この時は、確かに毎日体重計に乗って、食べ過ぎたら、食事を調整していました。それから、私は創業以来、一度も赤字を出したことはありませんが、常に損益計算書を自分で入力していました。これは高収益の先輩経営者から教わったことです。ビジネスで成功している先輩経営者に、起業する時に必要なことは何かと質問したところ、「事業の損益計算書を毎日つけること」だと教わりました。アドバイスを聞いた瞬間の私は、経理は誰かに頼んで、集客などに時間を使いたいと思いましたが、言われた通りにやってみて、その大切さが分かりました。毎日、自分で損益計算書を入力して、経営の数字と向き合っていると、いろんなアイデアや改善点が湧いてくるのです。広告費1つ取り上げても、集客につながっている広告と、そうでない広告があります。損益計算書を見ていれば、集客につながる広告だけに予算を配分するという決断がすぐにできます。その結果、限られた広告予算で、集客を最大化することができるのです。先輩経営者から「損益計算書を見ながら、2つの質問をしなさい。1つが、どうすれば売上をもっと増やせるか?もう1つは、どうすればもっと経費を抑えられるか?売上と経費の差が利益だから、この2つの質問を自分自身に問い続けなさい。そして、できるアイデアから実行しなさい。」このアドバイスのおかげもあり、赤字を出さずに事業を継続することができています。

あなたのスクールが拡大していく時に、店舗や事業を増やす時に必ず必要になってくるのが事業責任者です。しかし、店舗を出店することを決めてから事業責任者を育てようとしても時間が足りません。ですから、社内に事業責任者が育つ仕組みを作る必要があります。


損益責任に強い人材を育てる方法

事業責任者が育つ仕組みの中核にあるのが「事業別損益計算書」です。これを事業責任者候補に入力してもらい、毎月、毎週、毎日のように目標と現実のギャップと向き合い、ギャップを埋めていく思考と行動を取ってもらうのです。この時に、経営者は先ほどの2つの質問をしてあげてください。1つが「どうすれば売上を増やせるか?」で、もう1つが「どうすれば経費を抑えられるか?」です。質問をすることで、相手の思考を活性化することができます。事業別損益計算書を社内に導入するには、担当の税理士の協力が必要かもしれませんが、ぜひ導入することをおすすめします。利益を増やし続ける事業責任者が育てば、経営者は安心して現場を離れることができるようになります。

 

3つの注目ポイント

・事業責任者は損益責任が強い人がなるべき

・売上最大、経費最小、利益最大  

・事業別に損益計算書を作成し、数字を「見える化」

eラーニングがもたらす教育の進化とは?

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従来の集団教育は、一人の先生が複数の生徒に一方的に知識を教えるため、個々の生徒に合わせた指導ができず、生徒の成長を最大化しにくいという問題点がありました。教育業界で注目されているeラーニングを活用した「反転授業」なら、その問題を解決することができます。

 

従来の学び方をひっくり返した「反転授業」

 

一般的な学校の授業などで採用されているのは集団教育です。先生の板書を生徒がノートに書き移しながら基本知識を学び、応用は自宅でやるという指導方法です。本来、生徒は1人1人学習進度が違いますし、宿題でつまづいてしまうと、どんどん分からなくなってしまいます。とはいえ、個別に指導するにはコストがかかりすぎて難しかったのです。しかし、インターネットが普及した今、eラーニングを活用した「反転授業」によって、コストを増やすどころか、減らしながら、生徒の成長を高めることができるようになりました。「反転授業」とは、生徒たちは新たな学習内容を、通常は自宅でビデオ授業を視聴して予習し、教室では講義は行わず、逆に従来であれば宿題とされていた課題について、教師が個々の生徒に合わせた指導を与えたり、生徒が他の生徒と協働しながら取り組む形態の授業です。ビデオ授業であれば、指導が上手な先生1人のレッスンを撮影するだけで、全国の生徒にビデオ授業を提供できます。スマートフォンがあれば電車の中でも授業が受けられるので、生徒の都合に合わせて学ぶことができるのです。店舗型のスクールにeラーニングを組み合わせるのも良いですし、無店舗で、すべてeラーニングでレッスンを提供しているスクールもあります。私が関わっている英語塾C社では、通常のレッスンは週1回ですが、自宅でも学べるeラーニングを開発しているので、週7回学習の機会を提供しています。その結果、生徒の成長をより促していますし、月々の授業料が高くても喜んで継続されています。それから、速読のオンラインスクールS社では、基本のレッスンはビデオ授業で学んでもらい、分からない点は、個別のSkypeレッスンで解決することで、店舗を持たずに全国に数千名の生徒の成長をサポートしています。

 

生徒にも経営者にも大きなメリット

 

eラーニングを活用したスクール形態は、生徒だけでなく経営者にもメリットがあります。講義をネット配信することで、店舗を持たなくてもレッスンを提供できるため、固定費を下げることができます。教師の採用も、スクールに通える距離の教師でなくても採用することができます。ネットがつながっていれば、全国どこにいても教師が生徒を指導できるからです。その結果、フルタイム以外の方にも雇用を提供できています。私は、プログラミングのオンラインスクールを受講していますが、基本的には自学自習でオンライン上のカリキュラムを読みながら進めていきます。分からない時は、WEB上のチャットシステムで先生に質問すると、数分で答えてくれます。その先生がどこに住んでいるかは全く関係がありません。生徒が挫折してしまうケースの1つに宿題のつまづきがあります。しかし、WEB上ですぐに教師がフォローできるので、分からない点をすぐに解決し、生徒のモチベーションを維持しやすく、継続率が高まります。こうしてテナント料や人件費を抑えながら、生徒の継続率を高めることで、店舗型のスクールよりもレッスン料を抑えても高収益のスクールビジネスを経営することができます。ぜひ店舗型でも無店舗型でも、eラーニングを活用した「反転授業」を取り入れてみてください。

 

3つの注目ポイント

・従来の集団教育は生徒の成長を最大化しにくい
・「反転授業」が生徒の成長を加速させる
・eラーニング活用で高収益のスクールビジネスができる

生徒の入会率100%を目指す「入会の公式」

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人は商品やサービスそのものにではなく「自分が受け取る価値」にお金を払うものです。教育スクールビジネスにおける「生徒の価値」とは「生徒の夢や目標が達成できる」こと。それが100%実現できるとイメージしてもらい、投資するお金と時間が100%無駄にならないと信じてもらうことが入会率100%への道です。

 

入会率100%ヘの道

「入会の公式」に基づいて、生徒集客の仕組みを見直した成功事例を2つご紹介します。1つ目の成功事例は、生徒の成長ストーリーを語ることで生徒数を増やした学習塾A社です。英語塾A社の課題は、カウンセラーによって入会率に差があることでした。あるカウンセラーは入会率が80%あるのに、別のカウンセラーは入会率が45%だったのです。この入会率の差の原因は何か?まずカウンセラーごとに提案のトークを分析したところ、入会率の高いカウンセラーには「共通点」があったのです!それが、見込み客に合わせて「生徒の成長ストーリー」を語るということでした。プログラム内容や料金説明だけでなく「生徒の成長ストーリー」を語ることで、それを聞いた見込み客が、スクールに入会後の自分自身の成長をイメージしやすくなっていました。また、「生徒の成長ストーリー」を語り出すと、カウンセラー自身もスクールに対する自信がが高まり、堂々と入会へのクロージングができていたのです。この方法を全てのカウンセラーに共有した結果、全体の入会率が高まりました。

2つ目の成功事例は、100日間返金保証で入会率80%を達成した英会話スクールB社です。「100日間で話したい英語がペラペラになる」という約束と同時に、「万が一、100日間通っても望む英語力が身につかなければ全額返金」という方針を打ち出されていました。これで生徒はお金を無駄にしてしまうリスクがなくなりますし、結果にこだわるスクールの姿勢が伝わりやすくなりました。その結果、ある月は入会率が80%以上になったのです。

この2つの成功事例から考えても、入会の公式に基づいて、生徒に夢や目標が達成できると信じてもらい、お金や時間のリスクを減らしていくことが入会率100%への道です。「入会の公式」は、カウンセリングだけでなく、セミナーやパンフレット、ホームページにも応用ができるので、ぜひ生徒集客の仕組みづくりに活用してみてください。

 

3つの注目ポイント

・人は商品そのものではなく「価値」にお金を払う
・一番の価値は、失敗せずに、生徒が夢や目標を達成すること
・「入会の公式」の基づいて生徒集客の仕組みを作ろう

 

独自カリキュラム開発に必要な「法則化」とは?

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「名選手は名監督にあらず」との言葉通り、素晴らしいプレーをする人物が必ずしも素晴らしい先生になれるとは限りません。自身の「経験」を「法則」に転換しなければ、能力の異なる生徒を成長させることは難しくなります。

 

あなたの「経験」を「法則」に転換しよう

 

あなたに素晴らしい経験があっても、ご自身の「経験」をそのまま生徒に伝えるだけでは、能力の異なる生徒たちを成長させることは難しいはずです。生徒の成長を促すカリキュラムは「法則」になっています。法則とは「いつ、どこでも、一定の条件のもとでは成立する関係」のことです。例えば、テニススクールであれば、どんな生徒でもレッスンに一定期間通えば、テニスのラリーができるようになることが「法則化」されたカリキュラムです。もちろん、生徒の運動神経によって上達に個人差はあるでしょう。その中でも、法則を見出し、強化していこうとする日々の研究が大切です。

 

「法則化」の重要性を実感したエピソードを1つご紹介します。私は大学生の頃、テニスコーチのアルバイトをしていました。その時に出会ったのが、どんな生徒の悩みもマジックのように解決してしまうTコーチです。ある時、Tコーチのレッスンに、ストロークがうまく打てず悩んでいた生徒が参加しました。その生徒は、高いお金を払って元プロテニスプレイヤーに習ったにもかかわらず、なかなかストロークが改善しなかったそうです。元プロでも直せなかったその生徒に対しTコーチは、「相手のラケットにボールが当たった瞬間を見てごらん」とポツリと一言アドバイスをしました。一般的には打ち方を改善するのに、なぜそのようなアドバイスをするのか私には不思議だったのですが、Tコーチのアドバイスを聞いた生徒は、いとも簡単にストロークが打てるようになったのです!Tコーチは、相手のラケットにボールが当たる瞬間を見ることで、体が素早くボールを返すための準備体制を取るという運動の法則を「経験上」知っていたのです。そしてそれを、指導の「法則」に変換した言葉で伝えたのでした。これが、「ボールが来たら、こんな感じで打てばいいよ」などの曖昧な教え方では、生徒の問題は解決されなかったかもしれません。

 

では、どうやって「経験」を「法則」に変換するのか?方法はシンプルです。紙とペンを用意して、あなたの「経験」を全て書き出してみてください。「テニスのダブルスで優勝した」、「日本にいながらTOEFL100点を取得した」といったものです。続いて、どうやってその経験を得たのか、方法を探ります。例えば、「英単語を覚えるために、単語カードとCDを使って、声に出しながら毎日10個の単語を覚えた。」などです。本当に小さなことでも漏らさず書き出しましょう。この時、インターネットや本を調べることは禁止です。なぜなら、インターネットや本は、あなたの経験ではなく、他人のノウハウだからです。あなた独自のカリキュラムを引き出すこのプロセスは、外部の情報を遮断して、自分に向き合いましょう。記入し終わったらそれを眺めて、「いつ、どこでも、一定の条件のもとでは成立する関係」、つまり「法則」を探ります。その結果、あなた独自の、より生徒の成長を促すカリキュラムが出来上がるのです。法則化されたカリキュラムのメリットは他にもあります。いつ、どこでも、どんな時も一定の水準で指導が行えるため、スクールの教師を増やしても、指導力のバラツキが抑えられます。今回は「経験」を「法則」に転換する大切さと方法をお伝えしました。

 

3つのポイント

・「経験」しただけでは人に教えられない

・法則化されたカリキュラムが生徒の成長を促す

・「経験」を棚卸しして「法則」を見つける